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スピードだけではなくスタミナも必要とされる過酷な短距離走

400m競走のルール

400m競走とは

中距離走と間違われることも多い(^^;、短距離走での最長距離種目です。短距離での瞬発力に併せて持久力も必要となる、非常に過酷な種目です。
曲線部でスタートするため、スタートはきれいに横並びになるのではなく、1〜8レーンで右写真のように段がつくような状態で並びます。
この400me走はトラックを一周するのですが、中距離走以降のように途中から走るレーンが自由になる訳ではなく、一周全てをレーンに沿って走るのが特徴です。
なお、トラックを一周するため、他の短距離走(100m競走と200m競走)のように追い風の影響は想定されていません。(風速の測定もありません)

走っている時に隣(主に曲線部の内側)のレーンに侵入してしまえば失格となります。また、直線部ではあまりありませんが、曲線部でレーン内側に手が出てしまうなどして隣の選手の走りを妨害してしまった場合も失格となります。
レーンの幅は1m22cmですが、以前は1m22cm or 1m25cm どちらかで良かったので、2004年以前に作られた古い競技場などであれば1m25cmのところもあります。

スタートについて


位置について(On your marks)→用意(Set)→号砲(ドン!)
400m競走は距離が長いですが、100m競走や200m競走と同じようにクラウチングスタートでスタートは行われます。
位置について』の合図で片方の膝をついてスタート姿勢を取り、『用意』の合図でついていた片膝を浮かし、腰を上げて構えます。その後の号砲(ピストル)でスタートします。
これらの合図が出された後は声を出したり動いたりするような行為(ピクッと反応してしまうことでさえNG)は禁止されており、もしそのような行為があればスターターはスタートを中止し、違反行為をした競技者に警告・もしくは口頭での注意がなされます。
警告は同じ競技会で2回累積させてしまうと失格となり、その後の競技種目への出場資格がはく奪されます。(リレーなどが控えていても出場出来なくなります)
この日本語での指示は実際は学校の体育レベルでしかなく、競技会などであれば英語で指示されます。『位置について』は『On your marks(オン・ユア・マークス)』、『用意』は『Set(セット)』となります。

フライングについて

スターティング・ブロックを使ってスタートします。国際大会などではこのスターティング・ブロックに『スタート・インフォメーション・システム』と呼ばれる仕組みを行うセンサーがつけられ、スタートの合図から実際に何秒でスタート動作を行ったかを測定し、フライングしていないかを判定します。0.1秒未満であればフライングで失格となります。
フライングという表現は通称で、ルール上では不正スタートと言うのですが、一般的にはフライングという表現の方が認識されているかと思いますので、当サイトではフライングという表現を採用しています。

予選レースで選手が走る組の決め方について

短距離走は基本的に決勝レースに出場できる走る選手を決めるまでに複数回のレースを行います。
レースの回数は出場選手やレーンの数によって異なりますが、今回は『24名の選手が出場し、8人ずつの3組に分ける予選』という想定で、選手がどういう風に組み分けられるかを説明します。

選手に記録がある場合

高校のインターハイなど、参加するために各都道府県大会などでその選手が記録したものがあれば、その記録をもとに上位から順にA組→B組→C組、次はC組→B組→A組へとジグザグに組み分けしていきます。(ルール上も『ジグザグ配置』と言います)

参加資格(記録)の順位
A組 1位 6位 7位 12位 13位 18位 19位 24位
B組 2位 5位 8位 11位 14位 17位 20位 23位
C組 3位 4位 9位 10位 15位 16位 21位 22位

参加24名中、記録が1〜8位の上位クラスをピンクベース色、9〜16位の中位クラスをグリーンベース色、17〜24位の下位クラスをブルーベース色に色分けしています。
上表の横列が同走する組ですので、ジグザグ配置を行う事によって、記録の上位・中位・下位の選手達が偏ることなく配置されることがお分かりいただけるかと思います。
※組分けの『A組』『B組』『C組』は走る順番ではありません。この組分けが行われた後、走る組の順番を抽選で決めます。

選手に記録がない場合

競技をするのが初めてだったりして選手の記録がない場合は、抽選によってランダムに組み分けが行われます

選手が走るレーンの決め方について

ランキング
7〜8位で抽選
1
2
ランキング
1〜4位で抽選
3
4
5
6
ランキング
5〜6位で抽選
7
8
決勝であればその前の準決勝、準決勝であればその前の準々決勝、というように、そのレースの一つ前のレースでの選手ランキングをもとに走るレーンを抽選で決めます。
8人でレースを行う場合ですと、ランキング1〜4位の4人が真ん中の3〜6のレーンに入り、その中で抽選。ランキング5〜6位の2名が外側7〜8レーンに入って抽選、ランキング7〜8位の2名は内側1〜2レーンで抽選、となります。

選手ランキングとはルール上では『ランク付け』と表現されているもので、前レースでの成績をもとに選手を順位付けすることです。
例えば準決勝が『8人が1組となる3組で行われ、その3組の中から各1着と2着の2名で計6名。プラス各組3着以下で記録の上位順2名。あわせて合計8名が決勝進出』として行われるとします。
この場合ですと、各組の1着選手3名での記録を比較し、上位から1〜3位。各組の2着3名から4〜6位。各組3着以下での記録上位2名で7〜8位。このようにランク付けされます。
ここで注意が必要なのは、『ランク付けはただの記録順ではない』ということです。
例えばA組での1着選手よりB組の2着選手の方が記録は上だったとしても、2着選手は4〜6位の中でランク付けされるのです。

フィニッシュについて

フィニッシュ(一般的にはゴールとも言われる)とは、『選手の胴体がフィニッシュラインの垂直線上に達した時点』とされています。
胴体とは頭・首・手足を除いた部分を指し、一般的には胸部が最初に到達します。また、フィニッシュラインは最も手前(スタートした方に近い)側の端に達せばOKです。
大きな大会では、スリットカメラと呼ばれるカメラ(フィニッシュラインを通過する瞬間だけを写し取る特殊なもの)を使った写真判定システムが採用されています。

世界記録 男子400m競走 歴代5傑

タイム 名前 国籍 記録日
1 43秒03 ウェイド・バンニーキルク 南アフリカ共和国 2016年8月15日
2 43秒18 マイケル・ジョンソン アメリカ合衆国 1999年8月26日
3 43秒29 ブッチ・レイノルズ アメリカ合衆国 1988年8月17日
4 43秒45 ジェレミー・ウォリナー アメリカ合衆国 2007年8月31日
マイケル・ノーマン アメリカ合衆国 2019年4月20日

日本記録 男子400m競走 歴代5傑

タイム 名前 記録日
1 44秒78 高野 進 1991年6月16日
2 45秒03 山村 貴彦 2000年9月9日
3 45秒05 小坂田 淳 2000年9月9日
4 45秒16 金丸 祐三 2009年5月9日
5 45秒18 山口 有希 2003年10月29日

世界記録 女子400m競走 歴代5傑

タイム 名前 国籍 記録日
1 47秒60 マリタ・コッホ 東ドイツ 1985年10月6日
2 47秒99 ヤルミラ・クラトフビロバ チェコスロバキア 1983年8月10日
3 48秒25 マリー=ジョゼ・ペレク フランス 1996年7月29日
4 48秒27 オルガ・ブリズギナ ソビエト連邦 1985年10月6日
5 48秒59 タチアナ・コチェンボヴァ チェコスロバキア 1983年8月10日

日本記録 女子400m競走 歴代5傑

タイム 名前 記録日
1 51秒75 丹野 麻美 2009年5月3日
2 52秒52 杉浦 はる香 2013年6月8日
3 52秒85 青山 聖佳 2016年9月2日
4 52秒95 柿沼 和恵 2001年5月24日
5 53秒05 木田 真有 2008年5月3日

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